抗がん剤の点滴【CVポート造設】メリット、手術費用、記録画像など

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抗がん剤「タキソール(パクリタキセル)+サイラムザ」で土俵際から回復しはじめた私に、信頼する看護師さんがアドバイスをしてくれました。

CVポートって知ってはる?

すぐに主治医と外科医が病室に来てくれ、点滴が楽になるCVポートの埋め込み手術が3日後に決定。これは、そのCVポートの造設手術をしたときの記録です。

  1. CVポートとは
  2. 造設するメリット、手術費用、保険点数
  3. CVポートの手術時間、痛み
  4. 術後の経過画像、翌日、2週間後、5ヶ月後
  5. 注意したこと、など
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私が造設したCVポート

CVポートとは

パワーポートMRI isp
参考 CVポートとは | 化学療法サポート

CVポートとは、カテーテル(血管に入れる管)の一種です。画像↑のようなポートと一緒に胸や腕の皮膚のすぐ下に埋め込んで、抗がん剤等を投与します。

簡単にいうと、ソフトな点滴用のチューブを太い血管(静脈)に長期間ぷっ刺しておくモノ。画像のシリコン部分に皮膚の上から針を刺すと、すぐに点滴ができるようになります。大きさや種類はいろいろあって、このCVポートは直径約3cm、高さ約1cmです。

埋め込み手術を造設といい、私はこのCVポートを、左胸、鎖骨のすぐ下に造設しました。X線の透過性があり、CTやマンモグラフィも問題ないタイプ。耐久性は、週に一回程度の抗がん剤投与で50年以上と聞いています。

CVポートのメリット、デメリット

  • CVポートを造設するメリット
    • 点滴針を、すぐに刺すことができる
    • 点滴中、両手がフリーになる
    • 高カロリー輸液の点滴ができる
      Wikipedia 高カロリー輸液

とくに、点滴中に両手がフリーになってスゴく楽になりました。抗がん剤は劇薬で、点滴針が血管を突き破って漏れたら一大事。点滴中は、常にチューブを引っ掛けないように気を使っていました。このストレスが減ったメリットは大きかったです。

いまのところ、トラブルがあったり、デメリットは感じていません。
(2018.09追記)2年後、はじめて抗がん剤が漏れる経験をしました。

私は抗がん剤の点滴を、CVポートからしています。CVポートを埋め込んで(造設して)2年、はじめて抗がん剤が漏れる経験をしました。 抗がん剤を点滴するとき、...

CVポートの手術費用、保険点数

診療明細書によると、CVポートの手術費用は166,910円(保険点数16691)でした。

これは保険が適用される前の金額で、私は高額療養費制度も適用されました。詳しくは、入院費用なども合わせて病院でご確認ください。

CVポートの手術時間、痛みなど

CVポートの造設をする手術時間は、準備等も含めて90分ほどでした。手術は局部麻酔で、外科医の先生や看護師さんと会話をすることができます。

私の場合、麻酔が途中で2回切れました。痛みは激痛ではなく、チクッと感じる程度。思わず「んっ…」と声が出るので外科医の先生もすぐに気づいてくれ、追加の麻酔を注射。1~2分もすれば何も感じなくなります。

術後は、打ち身・打撲のような痛みが4~5日ほどありました。痛み止めを服用すればズキズキすることもなく、その晩から爆睡していました。

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CVポート造設手術、術後の経過

CVポート術後の経過【翌日】

CVポート造設手術 翌日

  • 症状、記録など
    • 少し赤くなって、傷口を中心として全体的に腫れる
    • かすり傷程度の出血はあるものの、内出血はなかった
    • ガマンできる打撲のような痛みが、4~5日間続いた
    • 傷の治りかけに感じるようなかゆみが、1週間ほどあった

傷口は、溶けるタイプの糸で中(内側)を縫合。空気は通し、水は通さない透明フィルムで保護し、当日からシャワーOKでした。打撲のような痛みは、ロキソニン(痛み止め)等を飲んでいて感じた痛みです。発熱はありませんでした。

CVポート術後の経過【2週間後】

CVポート造設手術 二週間後

  • 症状、記録など
    • 傷口が少しつっぱる感じはあるけど、ラジオ体操ぐらいはOK
    • カテーテルが中に入っている、何とも言えない違和感が少しある
    • かゆみ、痛みがなくなり、透明フィルムで保護もしなくなる

傷口は、鎖骨から5~6cmくらい下にあります。このころの体脂肪率は10%ほど。今よりヤセていて、CVポートのポッコリ感が目立っています。

CVポート術後の経過【5ヶ月後】

CVポート造設手術 五ヶ月後

  • 症状、記録など
    • カテーテルの違和感はなくなり、体の一部になる
    • 大きくストレッチをしても、肌がつっぱる感じはありません
    • やや盛り上がっていた傷口も平らになり、色も薄くなる

現在、体脂肪率を13%ほどに戻し、CVポートのポッコリ感は目立たなくなっています。日常生活で、CVポートの造設手術をしたことによる支障を、まだ感じたことはありません。

CVポートの造設で注意したこと

  • 手術後の注意点
    • 感染症、炎症に注意
    • 激しい動きに注意

手術後は、感染症・炎症に注意しました。シャワー・お風呂に入るときは、鏡で透明フィルムがはがれていないかチェック。うがい・手洗いもしっかりっと。

傷が早く治りそうな気がして、たんぱく質を多めに食べていました。大豆製品、鶏むね肉、魚など。

ストレッチや軽い運動は、術後3日もすればOKが出ていました。傷口が安定するまで念には念を入れ、上半身のストレッチと激しい動きに1ヶ月ほど注意しました。

CVポート造設の感想など

主治医は主治医の、看護師さんには看護師さんの目線があって、とくに入院中はいろいろと助けていただきました。CVポートを知らなかった私にアドバイスをくれたのも、その一つです。本当に感謝しています。

いろんな点滴をし続けた私の腕には、もう針を刺せる血管がほとんど残っていませんでした。CVポートで抗がん剤の点滴が楽になり、ストレスが劇的に少なくなりました

  • 腕の血管が細い、もろい
  • 点滴中に血管痛がある
  • 今後も点滴を続ける予定
  • 体力が十分に残っている

抗がん剤で治療をしている人は、CVポートについて主治医に相談するのも一つの方法だと思います。

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【まとめ】考えたこと、やったこと

  1. 抗がん剤の点滴針を刺せる血管が、ほとんど残っていなかった。
  2. 信頼する看護師さんからCVポートを教えてもらい、手術を即決した。
  3. 抗がん剤の点滴中に両手がフリーになり、ストレスが少なくなった。

コメント

  1. 小林順子 より:

    こんにちは。2週間前に胃がんを告知され平八郎さんのブログに辿り着きました。日本ではなくフランスでの検査、診察で、外国語の専門用語に四苦八苦しながらの毎日です。

    今日CVポートの埋め込み手術をし、月曜日から化学治療が始まります。このブログを読んでとても心強く、支えられた気持ちになったことをぜひ伝えたくコメントをしました。

    私はこの10日間というもの自分の病気の正体を知ることばかりに夢中になり、下を向いて進んでいた気がします。中国の諺に「指が月をさす時、愚者は指を見る」というのがあるけれど、私はまさに指を見ていたのでした。平八郎さんのブログを読んで、暗い森の中で同じ場所をぐるぐる回っていた私は急に周りの霧がぱぁっと晴れていくのを感じました。顔を上げると「治癒」という目的地がはっきり遠くに見えたのです。これで道に迷わずに正しい方向へ踏み出すことが出来ます。先生を信じて治療をしながら前に進んでいこうと思います。
    平八郎さん、世界中にあなたのブログに勇気づけられているがん患者がいると思います。ありがとうございます。

    じゅんこ

    • 平八郎 より:

      じゅんこさま

      はじめまして、こんにちは。コメントありがとうございます。当ブログを運営・管理している平八郎と申します。

      温かい励ましのお言葉をいただき、本当にありがとうございます。支えられているのは私です。お礼を申し上げます。

      私は末期の胃がんと診断された1年半前、がんで闘病されている人・ご家族のブログをたくさん読みました。でもブログを書いているのはごく一部の人で、闘病中に経験して得られた大量の知恵・工夫が失われていると感じました。

      闘病中の感情や心境は共感できるのですが、とてもつらい内容も多かったです。だから私は、考えたこと・やったこと・その結果だけを伝えよう。そう思いブログをはじめました。そして遠く離れたフランスで闘病しているじゅんこさまに伝わり、感動いたしました。

      CVポートの埋め込み手術も無事に成功し、化学治療をはじめられるとのこと。応援しています。

      今後ともよろしくお願いいたします。

      平八郎

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