抗がん剤の副作用で、味覚障害(末梢神経障害の一種)になることがあります。いま私が使っている抗がん剤は「パクリタキセル」で、少しずつ症状が強くなってきました。
原因・予防など基本的な情報と、私がしている3つの対策・工夫です。
- 味覚障害について
- 味覚障害の対策、セルフケア
味覚障害について
味覚障害の基本情報
味覚障害は、抗がん剤の副作用「末梢神経障害」の一種です。基本的な情報は、国立がん情報サービスのウェブサイトも参考になります。
※ 後遺症で味覚障害が残る人は少なく、抗がん剤治療が終わる(減薬、休薬する)と、ほとんどの人が正常な味覚に戻ると主治医・薬剤師さんから聞いています。
味覚障害で注意していること
味覚障害は、油断をすると少しずつ体力が落ちていく副作用です。味がヘンと思ったら、遠慮せず伝えてくださいね。
体力は、がんの治療を続けていくのに絶対必要なものです。
- 味覚障害
↓ - 食欲が落ちる
↓ - 体力も落ちていく
少しでも味がヘンだと感じたら主治医に相談し、抗がん剤に詳しい薬剤師さんにもサポートをしてもらって私に合った対策をいろいろ試しています。
味覚障害になりやすい抗がん剤
- プラチナ系(〇〇プラチン)
- シスプラチン
- オキサリプラチン
など
- タキサン系(〇〇タキセル)
- パクリタキセル
- ドセタキセル
など
- その他
- TS-1
など
- TS-1
血液検査とケモった記録
白血球:基準値
抗がん剤、17+4クール、1週目、パクリタキセル+サイラムザ pic.twitter.com/49G1gI0xja— 平八郎@胃がんでござる (@igan4th_hey86) 2018年7月20日
味覚障害の対策、セルフケア
1.オーラルケア
口の中が乾燥すると味覚障害になりやすい、とのこと。
- ブクブクうがい
- 歯みがき
- 水分補給
骨髄抑制で白血球が減っているときは感染症の予防になるし、1日に必要な水分を補給する習慣にもなります。
2.薬を処方してもらう
- 原因の可能性【大】末梢神経障害
- 原因の可能性【小】亜鉛の吸収が阻害されている
対策(1)炭酸水素ナトリウム(重曹)
炭酸水素ナトリウム(重曹)3gを、500mlの水で溶かして気になったタイミングで口をブクブクうがいする。
- 対策の結果
- 口の中はとてもスッキリするけど、私はあまり効果を感じることができませんでした
この対策はブログの読者さまに効果があった方法で、口を乾燥させず予防する意味合いのほうが強いかもしれません。合う・合わないは人それぞれなので、改善される人もたくさんいると思います。
薬剤師さんに確認済みで、食事前でも可です。つくった重曹水は冷蔵保存で4~5日大丈夫とのこと。情報を教えていただいき、とてもうれしかったです。ありがとうございました。
対策(2)プロマックD錠75
私の条件に合った、亜鉛を含むプロマックD錠75を服用してみる。
- 対策の結果
- 味覚障害が少し改善しました
- 胃摘をしていないスキルス胃がん
- 亜鉛の吸収が阻害され不足している可能性もある
私の場合、味覚障害はパクリタキセルによる末梢神経障害が濃厚です。でも、必須ミネラルの亜鉛が不足しても味覚障害になるので、条件に合う「胃潰瘍の薬」プロマックD錠75をお試しで処方してもらいました。
味を感じる神経(味蕾、みらい)は約10日間で入れ替わるそうです。プロマックD錠75は継続して服用しても私には問題ないので、このまま飲み続けようと思います。
レシピ・味つけの工夫
私の味覚障害には「これ!」といった有効な対策はなく、料理の味つけをスパイス・香辛料で工夫しています。いまは薄味にしてもらい、そのときの気分・体調に合わせて調味料を加えて自分好みの味にしています。
- わさび
- カレー粉
- こしょう
この3つが私のお気に入りです。他には、しょうが・からし・山椒・オイル・ハーブなど、いろいろ使っています。
ルールは、塩分(しょう油、ポン酢)は控え目にすること。
私が抗がん剤の治療を続けられるのは、「腎臓」が元気に機能しているのが理由のひとつです。私が使っている「サイラムザ」は腎臓に負担をかけやすく、減塩を「わが家のルール」にしています。
味覚障害中は、嫌いな味つけが大丈夫だったり、むしろ大好きな味と感じるもことあります。私の場合は「酸味」でした。ちょっと冒険をするのもいいかもしれません。
また、亜鉛を多く含む食品(ゴマ、貝類など)を積極的に食べるのはいいと思います。でも、摂りすぎ(サプリを含む)は「めまい」「吐き気」といった症状が出ることもあるとのこと。必ず薬剤師・管理栄養士さんにご相談ください。
その他のセルフケアは、こちらをご参考ください。
【まとめ】考えたこと、やったこと
- 食欲がなくなりやすいにで、相談・工夫をして体力を落とさない。
- ひどくならないように、口の中を乾燥させない。
- 自分の条件に合った、亜鉛を含む薬を処方してもらう。
- 調味料(スパイス、香辛料など)で味つけを工夫する。
- 塩分(しょう油、ポン酢)は控え目にする。
- 亜鉛を含む食べもの(サプリ)は摂りすぎない。

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