肝臓に転移したスキルス胃がんの治療を続けて約4年。たぶん、これが最後の更新になると思います。
がんの治療を続けるために私がしたこと、自分や生活を変えていったことのまとめです。だれかの参考になれば幸いです。
- 食事について
- 運動について
- 主治医について
- 工夫について
- メンタルについて
- 家族について
- 仲間について
がんの治療を続けるために私がした7つの習慣
食事について
がんと診断されると、多くの人ががんを治す食べもの・サプリを探すと思います。私もその一人でした。でも、いくら探してもがんを治す食べもの・サプリはありませんでした。
がんは病院(がん診療連携拠点病院)で治すもので、個人レベルで治せる病気ではありません。もし個人で治せたら、だれも悲しんだり苦しんだりしていません。
食事は、がん以外の体(部分)を健康に保ち、治療を続けられる体調をキープするために食べるものです。また、主治医からはスーパーで売っているものは何を食べてもいいとアドバイスされていて、好きなものを食べています。
運動について
がんの代表的な治療方法は抗がん剤で、(がんの治療に限った話ではないけど)副作用があるのは有名な話です。これは個人差が大きく、日常生活が(動くのが)ツラいこともあります。
私は安静(絶対安静と違い、できることは自分でする)という言葉の意味を勘違いし、動けるのにベットの上で転がっていてムダに筋肉を7kgほど落とし、勝手に衰弱した時期があります。
運動しないと筋肉(とくに足腰)は簡単に減っていきます。副作用で動くのがツラい日は必ずあります。なので、動けるときに運動(ストレッチ)をして筋肉を維持しながら治療を続けられる体力をキープするのはとても大切です。
主治医について
理由・状況はさまざまですが、適切な治療・緩和ケアを受けることができないがん患者は「がん難民」になります。「がん患者を冷たく見放す医師」といった情報を見かけることがありますが、必ずしも医師(病院)側だけの問題ではありません。
具体的なアドバイスをしてもらうには、体調を記録して正確に伝える必要があります。そうすることで主治医は私の体の状態を把握し、質問や困っていることに対して具体的にアドバイスしてもらえるようになります。
具体的なアドバイスがないと自己判断になり、つねに迷い、治療自体が不安になります。それが少しづつ溜まっていき、主治医と意思の疎通ができなくなってがん難民になっていきます。
工夫について
抗がん剤治療がはじまると副作用でできなくなることが増えます。私はエスワンタイホウ(TS-1)の副作用で手足がカサカサになり、物をつまめなかったりページをめくるのがむずかしいです。その他にも、身体的にできなくなったことがたくさんあります。
できなくなったことは、工夫するとできるようになります。できないことが増えていくと治療を続けていく気持ちも弱くなっていきます。工夫やアイデアは、看護師さんや後述する患者会で相談すると教えてもらえます。
情報や知識は古くなっていくけど、知恵や工夫はずっと役に立ちます。アイデアを共有できる公共の場がもっと増えたらいいなと思います。
— 平八郎@胃がんでござる (@igan4th_hey86) March 19, 2020
本当に残念だけど、がんサバイバーが他界されるとき一緒に失う大切なもの。
・治療を続けるための知恵
困っていることが解決する正しい知識とアイデアは、「よし、がんばれる」「がんばっていこう」と私は気持ちを強くできました。生まれては消えていく知恵が、本当にもったいないと思います。
— 平八郎@胃がんでござる (@igan4th_hey86) March 2, 2020
メンタルについて
心・気持ちをコントロールできなくなると、寝るという当たり前のことができなくなっていきます。人生は、正解のない問いの連続です。無い答えを探し求めると、どんどん不安になっていきます。
その問いに、私は最善で答えるようにしています。その最善を判断するために読書をはじめました。
これは私の場合なので、すでに心・気持ちを落ち着かせる方法がある人はその方法を継続してください。ちなみに、私が好きなジャンルはストア派の哲学とブッダの教えです。ぜんぜん実践できてないけど。。
— 平八郎@胃がんでござる (@igan4th_hey86) November 9, 2019
— 平八郎@胃がんでござる (@igan4th_hey86) June 9, 2020
家族について
家族とは生活していくベースとなるもので、ずっと側にいてお互いを無条件に受け入れることができる大切な人。そう私は考えています。なのでこの条件を満たし、生活を共にしているペットも家族です。
ずっと側にいてお互いを支え合う大切な存在とは、すぐ隣にいることと私は考えていません。「あなたがいるから私はがんばれる」距離があっても、たとえ目に見えなくても、存在を感じることができる人と私は思っています。
仲間について
多くのがん診療連携拠点病院には患者会があり、お互いを励まし合ったり情報を交換したり、副作用を軽減するアイデアを教えてもらうことができます。看護師さんや医師も参加していて、怪しい情報等はありません。
患者会は基本的に解放されていて、通院していない近隣の患者会に参加することも可能です。(どこの誰か伝える必要はあります)
副作用を軽減するアイデアを患者さんに聞くと、ほとんどの人が「とくに何もしていない」とお答えになります。でも、重い鍋から安くて軽い鍋に買い替えたとか、いろいろ話を聴けてがんばろうと気持ちを強くすることができると思います。
同じ境遇の人たちと一緒に頑張ることは悪いことじゃないと思う。でもがんの場合はちょっと特殊で、長く生存するほど素直に喜べなくなり、サバイバーズギルトになって自分自身を責めはじめていることもあります。時には距離を置き、自分のことだけに集中するバランスも大切と思います。
— 平八郎@胃がんでござる (@igan4th_hey86) February 17, 2020
ブログで少し触れたけど、インチキがん治療クリニックには患者や家族同士で情報交換されるとマズいので患者会がありません。目安の一つにしてください。
— 平八郎@胃がんでござる (@igan4th_hey86) June 10, 2020
治療の記録について
がんの治療に限らず、どんな世界でも現実はとても厳しいものです。
私のブログは、寛解させるため「考えたこと・やったこと・その結果」を具体的に公開するブログです。現実を書くことがリアルすぎて、ご覧になった人から自分の未来が書かれているような錯覚を覚えると感想をいただいたことがあります。
それから数日考え抜き、私の治療に先が見えはじめたこともあり更新するのをヤメました。
ただ、ツイッターでは検査結果等を画像で公開することを4年間続けています。よければご確認ください。
【まとめ】考えたこと、やったこと
- がんを治す食べもの・サプリはない
- 治療を続けていく体力(筋肉)を維持する
- 記録を伝えて具体的にアドバイスしてもらう
- できなくなったことを、できるように工夫する
- 読書をして心を落ち着かせ、コントロールする
- ずっと側にいてお互いを支え合う大切な人
- 同じがん患者だから理解し合えることがある