私はたくさんの人に支えられながら治療を続けています。多くの人に私のことを思っていただき、いろんな情報を調べてアドバイスもしてくれます。
ただ、その中には悪気・悪意はないけど、ネット等で調べたウソや間違った命にかかわる内容も含まれています。それを上手に断る方法とルールを考えた話です。
- 悪意のない善意の断り方
- 断らないと命にかかわる話
悪意のない善意の断り方
友人・知人のアドバイス
私は多くの人に支えられながら治療を続けています。ただ、友人・知人(親戚)のアドバイスには、ネット等で調べたウソや間違った情報も含まれていることがあります。
私のことを思い、悪意がないことは十分に理解しています。でも、主治医等のアドバイスと区別してルールをつくらないと、治療を続けていくことができなくなります。
友人・知人からアドバイスされたら
私は友人・知人からアドバイスされても、すぐに「やってみる」「試してみる」と即答しないようにしています。
【例】
いろいろ調べてくれてありがとう。何かするときは主治医に相談するルールで治療しているので、一度聞いてみます。
相手との関係、立場の違いもあるので、状況に応じて言葉や表現は選んでいます。
悪意のない善意の断り方
【例】
主治医に確認したけど、私に合わない内容でした。わざわざ調べてくださったのに申し訳ありません。また何かあれば教えてください。
- ポイント
- ウソ……×
間違い……×
私には合わない……〇
相手の気持ちもわかるだけに、なかなか断りにくいのも事実です。でも、はっきり断っておかないと後々自分が苦しくなります。これまで通りの関係を保ち、自分自身を守るためにも、断ることは大切なテクニックと思います。
もちろん、問題がないアドバイスのときは、感謝の気持ちと一緒に試してみた感想などを伝えています。
断らないと命にかかわる話
バナナ
私は、抗がん剤の副作用で白血球が激減します。これをブログやツイッターで知った人から、「バナナを食べると白血球が増えますよ」とちょいちょいご連絡をいただきます。
- 毎日2~3本
- そのまま食べる
- 焼きバナナにして食べる
- バナナジュースにして飲む
「消化もいいので胃がんの人におすすめ」とアドバイスしていただけるのは本当にうれしいんだけど、バナナで白血球は増えないんです。。
国立がん研 白血球が減った時の食事
食事療法
よくすすめられるのが、高カリウム低ナトリウムの食事療法です。ミネラルバランスが崩れている人(塩分の多い食生活をしている人)に有効なメニューだけど、私は崩れていません。
肝臓がんや腎臓がんの人は、分解したり排泄処理をする機能が低下します。そもそも抗がん剤は肝臓や腎臓に負担をかけやすい薬で、その中でもとくに腎臓に負担がかかる抗がん剤もあります。
- 胃がんで使われやすい抗がん剤
- シスプラチン(ランダ)
- ラムシルマブ(サイラムザ)
など
じつは、バナナもカリウムが多い食べものです。この二つを主治医に無断で極端なことをはじめると、カリウムを排泄できずに血中濃度が急上昇する危険性があります。
命にかかわる症状
- 高カリウム血症(引用 wikipedia)
- 血中濃度が異常にあがりすぎた場合、人体に重篤な悪影響を及ぼす。主な症状は、四肢の痺れ、不整脈、頻脈、筋力低下、吐き気などがあげられる。そのまま放置しておくと致死性不整脈から心停止に至る可能性がある。
- 血液検査の具体例
- 6.0 mEq/L 以上 ← 厳重注意
- 7.0 mEq/L 以上 ← 超危険
- 8.0 mEq/L 以上 ← たぶん生きてない
※ 基準値 3.3~4.8 mEq/L
私は過去に単独行動をし、2週間で4.0から5.5まで上昇して主治医に注意された経験があります。
適量について
適量(食事の改善)は、血液検査の結果で判断しています。食べる量を極端に増減させると命にかかわることもあるので、少量ずつ変化させています。
基準値をオーバーしていないからといって、どれくらい肝臓・腎臓に負担がかかっているのかわかりません。過信せず、カリウムを多く含んでいる食べものを減らしていくことで、逆に自分の適量を判断することもできます。
また、血液検査の結果は体調によっても左右されます。なにを食べたか簡単なメモを毎日記録していると、体調管理がしやすくなるのでおすすめです。
【まとめ】考えたこと、やったこと
- 悪意のない善意の断り方、テクニックを身につける。
- はっきり断らないと、後々自分自身が苦しくなる。
- 主治医に相談しないと、命にかかわることもある。

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