私はこの本を読んでいなかったら、ちゃんとショックから立ち直れなかったと思います。
末期の胃がんと告知され、治療をはじめた数か月後、私は急に不安を感じたり、やる気がなくなったり、イライラするようになりました。
一時的に停止していた思考や感情が戻ってきたのが原因で、私の心はがんと告知された数か月前のままでした。
- ざっくりとした本の内容
- この本をおすすめする理由
平常心を鍛える
ざっくりとした本の内容
想像を超えた惨事に遭遇すると、だれでもショックを受けます。がんの告知もその一つで、動揺しない人、不安にならない人、悲しまない人はいません。
- パニック
- 茫然自失
- 不眠
- 食欲不振
- コミュニケーションの拒否
- フラッシュバック
- 自暴自棄
……
しばらくすると、多くの人はそのショックから立ち直りはじめます。
でもその中に、自分の意外な反応に驚き、戸惑い、心が苦しくなっていく人がいます。その苦しみは大きくなり続け、過剰に自分を責め、自信を失い、だれも信じられなくなり、心が壊れていきます。
心が壊れるタイミングは、ショックを受けた直後ではありません。自分の予期せぬタイミング(数か月から数年後)に襲ってきます。
そうなる原因を理解し、それをコントロールしながら現実を受け止め、ショックから立ち直る方法を知ることができる本です。
もくじ
- はじめに
- 序章 なぜ、人の「心」は壊れるのか?
- 第1章 ファーストショックに備える
- 第2章 セカンドショックと情報
- 第3章 「情報災害」から身を守る
- 第4章 セカンドショックと疲労
- 第5章 PTSDと精神科を受診すべきとき
- 第6章 「次の試練」に備える
- おわりに
著者「下園 壮太」さんについて
元・陸上自衛隊衛生学校の心理教官。カウンセリング、うつ、自殺予防、惨事対応など、心のサポートを専門とするメンタルトレーナー。
悲惨な現場で働く自衛隊員の心が壊れないように、現場で有効だった実践的なノウハウを一般の人にわかりやすく伝えている人です。「心の疲れをとる技術(Amazon)」もおすすめの一冊。
この本をおすすめする理由
具体的でわかりやすい
この本には、私自身に起こった内容がたくさん書かれてありました。ショックから立ち直る方法も具体的でわかりやすく、個人レベルで実践・応用できる内容です。
心・気持ちを整理しながらショックから立ち直っていく自分をイメージでき、ものすごく参考になっている一冊です。
- どうなるのか?
- どうすればいいのか?
- なぜそうするのか?
人生で心が壊れるほどのショックを経験する人は少ないと思うし、それにアドバイスできる人はもっと少ないと思います。この本は、そんなショックを受けた人に実践レベルで応える数少ない良書です。
でも、すぐに立ち直れるわけではありません。根気強く実践することで心が軽くなり、適応力が身につていく方法です。これを繰り返すことで、正解のない問題にも勇気をもって最善と思える選択ができるようになる。そう私は思っています。
私自身に起こったこと
「偏った情報」
「疲労」
私を支えている本
【まとめ】考えたこと、やったこと
- 想像を超えた惨事に遭遇して、ショックを受けない人はいない。
- そのショックから立ち直れず、心が壊れてしまう人もいる。
- そうなる原因を理解し、コントロールして立ち直ることができる。
- 正解のない問題にも、最善と思える選択ができるようになると思う。