がんと診断されたときのことを、私はほとんど覚えていません。不安と恐怖で何も考えることができなくなり、現実なのかもわからず頭の中はパニック状態。
そして気がつけば、寝るというあたり前のことが、あたり前じゃなくなっていました。
- 眠れない原因
- 眠れないときの7つの対処法
- 生涯の課題
眠れない原因
眠れない原因を分類
- 環境の変化(軽度)
- 入院生活
など
- 入院生活
- 身体的な苦痛(中度)
- 痛み
- かゆみ
- 発熱
など
- 精神的な問題(重度)
- がんに対する不安
- 家族への思い
など
私は眠れない原因を、この3つに分類。軽度から重度まであり、それぞれ対処法を変更しました。
眠れないときの7つの対処法
環境の変化(軽度)
- 耳栓
- アイマスク
- BGM(イヤホン)
など
入院という環境の変化には、しばらくすると慣れました。そして気づいたのが「いろんな音」でした。
入院病棟は昼夜を問わずいろんな音が鳴っていて、大部屋で一緒になった患者さんの個性もさまざまです。思った以上にうるさかったけど、安眠グッズを利用することで比較的簡単に対処することができました。
身体的な苦痛(中度)
- 鎮痛剤
- 解熱剤
- 抗生剤
- ぬり薬
など
抗がん剤の副作用で、すでに数種類の常用薬を服用しています。そこへさらに薬を増やすことに最初は抵抗がありました。でも、我慢したところで眠れないだけです。
これらの薬は一時的に服用する頓服(とんぷく)。私は我慢せず、薬を処方してもらうことにしています。
精神的な問題(重度)
メンタルを鍛え続ける
- 読書
- 深呼吸(瞑想)
- ボーっとする
- 運動・ストレッチ
- 眠剤(睡眠薬)の処方
など
メンタルの強化は、生涯の課題・心の修行になると思います。ちょっとした体調の変化で「進行・転移(再発)したんじゃないか?」という不安・恐怖を常に感じます。
この不安・恐怖こそ私がぐっすり眠れない最大の原因で、克服しない限りがんを治したと言えない気がしています。
読書
私は、読書を中心にメンタルを強くしています。時間はかかりますが、読書から得たものは気持ちを切り替えるノウハウです。ヘンに考え込んだり、マイナスに思い込むことがなくなりました。
そして自分の中にしっかりとした価値観・判断基準ができ、最善を尽くすことで後悔することが減っています。
深呼吸(瞑想)
じつは、ゆっくり深呼吸を2~3分するだけでも十分に気持ちを落ち着かせることができています。深呼吸も、1年前と比べて上達しました。
深呼吸から得たものは、1つのことに集中する力です。この集中力のおかげで、ネガティブな思考が頭いっぱいに広がることがなくなりました。
ボーっとする
これは脳神経外科にいた看護師さんに教えてもらった対処法で、公園のベンチなどに座って5~10分ほど「ボーっ」とするだけです。
じつは「ボーっ」とするのはむずかしく、中途半端にしても何か考えてしまいます。思い切って魚の腐ったような目でボーっとすると、私はなーんにも考えなくなります。
なぜ効果があるのか理屈はよくわからないのですが、超簡単な対処法。めちゃくちゃスッキリします。不思議と頭の中が整理され、深刻な気分から解放されます。
運動・ストレッチ
運動・ストレッチをすることで、適度に疲れて眠りやすくなります。
生活習慣の改善にもなるし、健康な体にもなるし、続けることによって自信にもつながっていきます。運動内容は、体調に合わせて主治医と相談しながら決めてください。
また、家の掃除もいい運動になります。お風呂、ベランダ、サッシ・網戸、シンク・換気扇回り…。キレイになると気分もいいですし、断捨離もできます。
眠剤(睡眠薬)を処方してもらう
心をコントロールできない日もあります。そういうときは我慢せず、眠剤を飲んでいました。寝ないと心と体がどんどん疲労して、闘病どころじゃなくなります。
また、国立がん情報サービスのサイトにも、いろいろ対処法が紹介されています。こちらも参考になると思います。
【まとめ】考えたこと、やったこと
- 眠れない原因を分類して、対処法を変えた。
- 軽度から重度まで、7つの対処法を実践した。
- メンタルの強化は、生涯の課題・心の修行。

平八郎が読んだ感想 心が軽くなって、迷いがなくなった

平八郎が読んだ感想 生存率、余命を決める3つの要素
コメント
はじめまして。にっこと申します。
ブログ興味深く拝見しております。
紅光さんのブログが当時の私にとってイチオシでした。が、今は続きを読むことが出来ず、このブログがそれに続くものと位置付けています(勝手な事をごめんなさい)。
スキルス胃がん患者会の会員でもあり、にっこと名乗っております(子供の頃うちにいたネコの名前)。
会の自己紹介は古くなってしまいました。
私は2014年に発病、ハーセプチン+ゼロックスを一年未満やり、翌年15年に全摘しました。リンパ節転移あり、延命治療的なものになると言われたものの、薬が効いてリンパ節は治り、癌も小さくなっていきました。それで、手術不能から大きく転換させ、術後のt s1を経て現在に至ります。仕事にも復帰しました。
術後3年になろうとしています。今のところ転移再発なしで暮らせております。
平八郎さんのブログ、参考になります、且つ励まされます。
私も発病当時は色んなことを考え、試したりしました。
下の子供が高校生だった事もあり、歯を食いしばってでも成人式は見る!と誓ったのです(その3年前は乳がんの温存手術をしていた事もあり、よりそんな気持ちになりました)。
手足のしびれ、味覚障害、口内炎、手足症候群、どれも身に覚えがあります。
それを平八郎さんの工夫でどう対処されたのか、それを書き記すことで、どれだけの人にヒントを与えたことでしょう。
今読むだけでも、「こういうやり方があったのか」と関心してしまいます。
平八郎さん、長いこと、抗がん剤を続けていらっしゃって、お辛いことと思います。
心と身体がバラバラになる、そんな感覚だと思います。
私は、抗がん剤治療を卒業して2年経ちますが、未だに手足が痺れます。でも、それだけになりました。そんな私がこんなことを申し上げるのは如何なものかと思いますが、一言だけ言わせて下さい。
良いブログをありがとうございます。
辛いだろう毎日の生活を、客観的な書き方でとても参考になるのです。
平八郎さん、時間経過と共に薬も新しく出て来ます。
相性の良い治療が見つかり、回復に向かうことを願います。
これからも拝見させて頂きます。
にっこさま
はじめまして、こんにちは。ブログをご覧いただき、また応援メッセージまでありがとうございます。
私も紅光さんのブログに励まされ、ここまで来ることができました。
にっこさまがステージ4からお仕事に復帰されている姿を思うと、心から頑張ろうと勇気が湧き、たくさんの元気をいただくことができました。
本当にうれしかったです。ありがとうございました。
また、アドバイスなどございましたら、ご遠慮なく教えていただければ幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。
平八郎
尚、個人情報が含まれていたため、一部を勝手に改変いたしました。お許しください。