治療のペースをつかんで闘病生活に少し慣れてきたころ、私たち夫婦は突然がんの治療を続けていく限界を感じて自信を失いました。
それぞれ一人で考え込む時間が長くなり、急に不公平感や怒りなどを感じはじめました。そして気がつくと、なんともいえない孤独を感じるようになっていました。
- がんの闘病をはじめて、感じたこと
- 悩みを相談できる場所・人を増やす
がんの闘病をはじめて、感じたこと
1.どんどん進んでいく治療
- 吐血
- 輸血、入院
- 検査、退院
- 末期がんの告知
- 再入院
- 抗がん剤治療
- 再々入院
- 再々々入院
……
状況を整理する間もなく進んでいく治療に、私と嫁は右往左往する日々が続きました。慣れない手続き、よく理解できない専門用語、病院(入院)のルールなど、戸惑うことばかりです。
どんどん進む治療についていくだけで精一杯。それぞれの心と体に疲労が溜まりはじめていることさえ気がつきませんでした。
2.病気(入院)の話題を避けはじめる
入院した当初は胃潰瘍。でも、生検の結果は肝臓に転移したスキルス胃がんでした。再入院して治療をはじめたとき、末期がんだったことを周囲にどう説明していいのかわかりませんでした。
- 先の見えない治療
- 余計な心配をかけたくない
- 治療(看病)に集中したい
- 夫婦の時間を大切にしたい
……
いろんな思いはあったけど、最終的に仕事関係と親しい一部の人にだけ本当のことを伝えました。とくに嫁は病気(入院)の話題を避けるようになり、悩みを抱え込むようになっていきました。
参考 国立がん情報サービス:生検(せいけん)
3.闘病(看病)を続けていく自信を失う
治療のペースをつかみはじめた数か月後、心と体に溜まっていた疲労を自覚するようになりました。気力と体力に限界を感じた私と嫁は、突然、闘病(看病)を続けていく自信を失いました。
と同時に、理由のよくわからない不公平感や怒りなど感じるようになりました。それぞれ一人で考え込んだり、不安が暴走したり、イライラするようになっていきました。
がんの闘病をはじめて、感じたこと
私は私で、嫁は嫁で解決できない悩みが増えていき、どうしていいのか分からなくなっていました。そして気がつくと、周りにたくさん人がいるのに私たち夫婦だけが孤立しているような、なんともいえない孤独を感じるようになっていました。
一人(夫婦)で解決できない悩みもたくさんある。そのとき、素直にそう感じました。
悩みを相談できる場所・人を増やす
1.冷静になって悩みを整理する
冷静になって悩みや問題点を整理していくと、自分たちが何に困っているのかわかるようになってきました。
餅は餅屋です。解決できない悩みや問題は、主治医はもちろんのこと、その道の専門家・経験者にも聞いていくことにしました。
2.がん相談支援センター
がん相談支援センターは、全国のがん診療連携拠点病院などにある無料の相談窓口。どんな相談でも大丈夫です。その病院に通院している・していないも関係ありません。
- 治療費について
- 経済的支援について
- 仕事について
- 在宅・緩和ケアについて
- 不安な気持ちの整理
- 子供の将来について
……
3.がんサロン
がんサロンとは、がん患者とその家族が、がんに関する悩みを相談したり情報交換して交流できる場所です。がん相談支援センターでも紹介してもらえます。
他人に話しにくい悩みも、同じがん患者・家族なので言いやすく聞きやすいです。お互いの体験談が悩みを解決するヒントになったり、自分の気持ちや考えを整理することにもなります。
いろいろ相談してわかったこと
がんの治療を頑張っている人、支えている家族がたくさんいることに気づくことができました。悩んでいるのは自分一人(夫婦)だけじゃなく、ムリと感じた壁を乗り越える方法もたくさん知ることができました。
自分で悩みを解決していくことも大切だけど、一人(夫婦)でできることには限界があります。これからも相談できる場所・人を増やし、積極的に参加していこうと思います。
今、一緒にいまーす
なう(o^^o) https://t.co/lSgSzVyp8M— がん家族セラピスト(酒井たえこ) (@TaeSapunapi) 2018年2月3日
【まとめ】考えたこと、やったこと
- 一人(夫婦)で解決できる悩みには限界がある。
- 何に困っているのか冷静に悩みを整理する。
- がん相談支援センター、がんサロンで相談する。
平八郎が読んだ感想 個人レベルで実践・応用ができる