がん患者の家族を救う55のQ&A
家族ががんと診断されたとき、その家族が悩んだり困りやすい問題をQ&Aでまとめられた一冊。
看病する嫁の負担を軽くできないか読んでみました。がん患者の家族の視点や苦労がよくわかり、わが家のルールを見直すきっかけにもなりました。
- ざっくりとした本の内容
- この本をおすすめする理由
がん患者の家族を救う55のQ&A
ざっくりとした本の内容
お父さまをがんで亡くされた経験をもとに、がん患者の家族が悩んだり困りやすい問題を55のQ&Aにまとめた一冊。家族ががんと診断され、間もない人におすすめの内容です。
- 序章 がんという病気の「本当の意味」
- PART 1 がんを理解するコツ
- PART 2 医師、看護師、病院とのつき合い方
- PART 3 患者本人と向き合うには
- PART 4 兄弟や親戚のこと、どう考える?
- PART 5 自分の癒やし方、守り方
- PART 6 お金のこと、家計のこと
- PART 7 残された時間の過ごし方
看病を続けると、支え方やストレスなど主治医に聞きにくいこともたくさん出てきます。それを著者に相談しているような疑似体験ができ、できることを一つひとつ増やしていける本です。
著者「酒井 たえこ」さんについて
2005年、がんで闘病していたお父さまが他界。その看病・サポートを続けた家族としての経験を活かし、積極的にボランティア活動をしている人。手や足を優しくマッサージするリフレクソロジーを通じて、心と体を軽くするケア・サポートをされています。
この本をおすすめする理由
ショックから抜け出すきっかけに
家族ががんと告知されたら、誰でもショックを受けます。でも治療は、そのショックから立ち直る間もなくはじまります。この流れについていけず、私と嫁は右往左往する日々がしばらく続きました。
理由は、なにをだれに聞けばいいか分からなかったからです。
とくに「なにを」が問題でした。治療や食事のことは、主治医や看護師さんに聞くことができました。でもそれ以外のことは見当がつかず、問題が発生してから慌てることを繰り返しました。
この本は疲れ切ってしまう前に問題の発生を予想しやすく、混乱から抜け出すきっかけにしやすい本です。気持ちを整理する考え方も参考になります。
必要なのは、経験していくこと
がんの闘病は、本人にとっても家族にとっても未知の世界です。治療をはじめたころは、どうなるのか分からず足がすくみ、恐怖すら感じました。
情報を「知っていること」と「できること」はぜんぜん違います。言い換えると、「知識」をもとに「経験」して「知恵」にしないとなんの役にも立ちません。
これまで私と嫁は、行動して経験し、困難を乗り越える力にしてきました。本には「できそう」「やってみよう」と思えるアドバイスがたくさんあり、できることが自然に増えていくと思います。
がん相談支援センターも利用する
がん相談支援センターは、がんに関するいろんな悩みを無料で相談できる窓口。解決できないと思った問題は、悩まず利用するのもおすすめの方法です。
治療に関する相談以外に、こんな内容でもOKです。
- 活用できる助成・支援制度について
- 仕事や育児、家事と看病のバランス
- 気持ちが落ち込む、誰にも言えない
- 各種手続きの方法や窓口を知りたい
……など
【まとめ】考えたこと、やったこと
- 告知の混乱から抜け出すきっかけにしやすい内容。
- 看病する家族の視点や苦労がよくわかった。
- わが家のルールを見直すきっかけになった。
- できそうと思えるアドバイスは、困難を乗り越える力になっていく。