人生が試される場所【病院】自立しようと頑張ると、孤立してしまう話

3551594

自立しようと頑張っているのに、なぜか孤立してしまう人を病院で何人も出会いました。

肝臓に転移したスキルス胃がんの治療を続けて2年半。どうすれば自立できるのか考えた結果、私たち夫婦が予想もしていなかったところに答えがありました。

  1. 自立について
  2. より自立するために考えたこと
スポンサーリンク
Google AdSense PC

自立について

自立とは

多くの人に支えてもらうこと

肝臓に転移したスキルス胃がんの治療を続けて2年半、どうすればがんを治し、自立して社会復帰できるのかずっと考えてきました。

そして、どう考えても、何回考えても、矛盾した答えが出るようになりました。

多くの人に支えてもらうと、自立して治療を続けることができる

この矛盾した答えは、たぶん間違っていないと思います。

この話しは、治療中は誰かに支えてもらい、その後自分の力で生活していくという単純な話しではありません。

自立しようとした結果

なにもできずに問題が山積みになる

末期のスキルス胃がんとわかった当初、私と嫁はすべてのことに全力で頑張りました。その結果、あっさり限界を超え、疲れ果てて心が折れてしまいました。

自立どころか、できないこと、わからないことだらけで問題が山積みになっていました。

がんの闘病・治療を続けていくには、ペースを考えることも必要でした。それを知らなかった私たち夫婦は、ある日突然、大切なやる気を失ってしまいました。 無理を続...

がんという病気について

一生つき合う慢性疾患

がんは生活習慣病に分類され、基本的に「治らない」グループの病気です。定期的に治療・検査をし、体調をコントロールしながら一生つき合う「慢性疾患」です。

一般的に自立とは、だれにも頼らず自分の力で生きていくことです。医療のサポートなしに生きていけない私は、そもそも自立できないことが分かりました。

スキルス胃がん+肝転移、ステージ4の末期がん。治療をはじめた2年前、告知のショックから立ち直る間もなくどんどん進んでいく治療に、私と嫁は戸惑い、ついていくの...

積極的にサポートをしてもらう

できることが増えていく

それから私たち夫婦は、積極的に多くの人からサポートをしてもらうようになりました。すると少しずつできることが増え、自分たちの力で生活できるようになっていきました。

つまり、だれかに支えてもらうことにより、はじめて自立することができた訳です。

多くの人に支えてもらうと、自立して治療を続けることができる

これは、私たち夫婦だけに起こった特殊なことではないと思います。

がんの治療・闘病で困ったことがあると、私と嫁は無料で相談できる「がん相談支援センター」に行きます。 とくに専門的な知識が必要な場合、問題の解決方法をアドバ...

3551598

より自立するために考えたこと

病院で孤立する人たち

自立しようと頑張っている人ほど孤立する

病院には本当にいろんな人がいます。とくに入院していたときは、ある程度一緒の時間を過ごすことになります。

その中で、あまりお見舞いが来ない人はだいたい孤立していました。

私は、その人のこれまでの人生をどうこう言うつもりはありません。ただ、その人たちは、看護師さんからも声をかけられている姿をほとんど見ませんでした。

世の中には、人の話を聞かない「頑固じじい」タイプの人がいます。この人たちは真面目で、社会的には優秀な人が多いような気がします。それゆえ、自立しようと一人で頑張れば頑張るほど孤立してしまう。そう私は感じています。

これは、闘病記などブログを読んでいても同じです。残念な気持ちになるブログは、極端に登場人物が少い、自己愛が強い、よく言い訳をする、なにかに文句ばかり言っていることが多いです。

三((((((((´ω`;)うわっ、ないわー… ステージ4の胃がん治療をはじめて1年以上。病院・病棟にいると、見聞きするつもりはないけど会話や態度にドン引...

自己愛とは自愛と正反対の言葉で、自分を愛せず妄想の中で陶酔するナルシシズムのこと。話しを盛ったりウソをつく「かまってちゃん」もこの一種です。また、がんの可能性があるのに生検や腫瘍マーカーの検査をしないブログ。公開する義務はないけど、治療方法や検査結果がよくわからないブログも不自然です。
Wikipedia 自己愛性パーソナリティ障害

人は一人で生きていけない

人とのつながりを、もっと大切にする

いまは本当に便利な世の中で、自宅でできる仕事も選べるし、宅配や通販をうまく使えば何でも手に入ります。だからといって、一人で生きていけるとは思えません。

身の回りにあるものは、誰かがつくったものばかりです。一人で生きていける訳ではなく、だれとも会わずに生きることもできる。そう私は思います。

積極的にサポートしてもらおうと思った2年前、心でつながり、本当に頼れる人(がんとカミングアウトできる人)は数人しかいませんでした。がん支援相談センターがなければ、私たち夫婦はここまで治療を続けられなかったと思います。

人とのつながりを、もっと大切にしないといけない。心からそう思いました。

より自立するために

相手の名前を覚える

自立とは、多くの人に支えてもらうことです。

そのため私は、お世話になる人の名前を「会ったその場で」覚えるようにしています。そして、あいさつや会話をするときは、相手の名前を添えるようにしています。

これは、「あなたは私にとって大切な人です」と意思を伝えるためです。

多くの人にサポートしてもらうには、本来ならサポートされるだけの人格を磨く必要があります。でもそんなことをしていたら、私はもうこの世にいなかったと思います。サポートしてもらいながら磨いていかないと、間に合いませんでした。

春先から秋口までの約半年間、進行性スキルス胃がん(+転移性肝がん)で一時退院しながらの入院生活。なかなか体調をコントロールできない中、たくさんの看護師さんに...

生きていく大切な知恵

大切な人と心でつながること

心でつながることは、生きていくうえで大切な知恵と私は思います。

人は病気とか関係なく、老いてできないことが増えていきます。だれかに迷惑をかけるのはあたり前の話しで、できないことを支えてもらうのは、悪いことでも恥ずかしいことでもないと思います。

ピンチのとき、支えてもらえる相手がいること。その相手が、迷惑と感じていないこと。そして大切な人がピンチのときは、無条件に支えること。

そんな人間関係をつくっていけたらいいなと思います。

注意
・がんが自然に治る生活をしましょう
・がんが治る食生活に変えましょう
・サプリを飲んで免疫力を上げましょう
と言って近づいてくる人にはご注意ください。
もしかしたら、がんに効く食べ物・サプリがあって治せるのでは……。末期がんと診断されたとき、そう私は思いました。 いろんな失敗をし、よく考えてみると、エビデ...

【まとめ】考えたこと、やったこと

  1. 多くの人に支えてもらうと、自立して治療を続けることができる。
  2. 自立しようと一人で頑張れば頑張るほど孤立してしまう。
  3. 人とのつながりを、もっと大切にしないといけない。
  4. 「あなたは私にとって大切な人です」と意思を伝える。
  5. 心でつながることは、生きていく大切な知恵。
  6. 病院は、これまでの人生が試される場所。
トップへ戻る