私は、肝臓に転移したステージ4のスキルス胃がんです。いまは抗がん剤で余命の砂時計は止まっているけど、人生の残り時間は長くないと考えています。
その限られた時間の中で、私が家族(嫁)に残せるものはなにか、なにを大切に生活をすればいいのか考えた話です。
- 私が家族に残したいもの
- 私が大切にしていること
私が家族に残したいもの
私の余命
私は、肝臓に転移したステージ4のスキルス胃がんです。
転移した肝臓がんは、多発(全体に散らばった状態)で手術ができません。肝臓は全摘すると生きていけない臓器で、いまのところ根本的な治療方法はありません。
いまは抗がん剤で小さくする(進行を止める)ことができているけど、余命の砂時計が止まっているだけに過ぎません。進行を抑えることができなくなったとき、私は半年前後で逝ってしまう末期がん患者に変わりありません。
家族とは
私の一番大切な家族は、嫁です。
家族とは生活していくベースとなる土台で、ずっとそばにいてお互いを無条件に受け入れることができる大切な人。そう私は考えています。
この条件を満たし、生活を共にしている人は家族です。ペットもずっと一緒にいる大切な存在で、家族同然と考える人がたくさんいるのも当然と思います。
私が家族に残したいもの
私たち夫婦は、子宝に恵まれませんでした。そのため、もう30年近く猫と一緒に暮らしています。初代は21年、二代目は18年も長生きしてくれました。いま一緒に暮らしている三代目は、今年で5歳になります。
大切な人を失う悲しみはとても深く、ペットロスも例外ではありませんでした。その悲しみから立ち直るきっかけになったのが「思い出」です。
最初は悲しくて、どうしようもありませんでした。しばらく経って嫁と初代や二代目の話ができるようになったとき、心の中でぽかぽかする温かいものを感じ、思い出が心を支えていることに気づきました。
だから私も壊れたり失ったりする形見ではなく、目に見えない大切なもの、消えてなくならない心がぽかぽかする思い出を、嫁にいっぱい残したい。もし私が先に逝っても、たくさん思い出があれば嫁の心を支え続けられる。
家族とはいつも一緒の存在で、生死に関係なくそういうものだと私は理解しています。
おはようございます。
(´ω`)グイグイ押しながら寝るクセがある三代目。
今日もよい一日を。 pic.twitter.com/cDozJCAAmc
— 平八郎@胃がんでござる (@igan4th_hey86) 2018年8月17日
私が大切にしていること
一緒にいる時間を増やす
私は嫁と一緒にいる時間・会話する時間を、意識して増やしています。
特別なイベント等はとくに必要ありません。とりとめない会話をしたり、料理を作ったり、買いものに行ったり、三代目と遊んだり、普通に2人で一緒にいる時間を増やしています。
これまでの人生を振り返ると、「いつでもできる」と思ったことはほとんどできていません。この考え方は、「いま」を大切にしていない生き方と私は思います。
本当に大切と思ったことは、できることから「いま」していくこと。すると、毎日がすごく充実した日々に変わっていきました。
感謝の気持ちを伝える
私は嫁から、たくさんの愛をいろんな形で受け取っています。だから私も、たくさんのありがとう・感謝の気持ちをいろんな表現で伝えています。
言葉で伝えるときもあれば、メッセージを残すときもあります。家事を手伝ったり、行動で表現することもあります。すると嫁は、うれしそうに笑っています。
どんなときでも、嫁に感謝の気持ちを伝えること。喜んでいる笑顔を見ると、私はすごく幸せを感じることができます。そんな私の顔を見た嫁も、幸せを感じています。
そのために
私は、なにかをヤメて(今やっている習慣を見直して)時間をつくってから新しいことをはじめるようにしています。
余命を宣告されるまで、人の命・人生の時間に限りがあることを自覚できていませんでした。そのために多くの時間をムダにしました。もし自覚できていたら、もっと違う生き方をしていたと思います。
失った時間は取り返せないけど、残された時間は最善を尽くすことができます。死ぬことは悲しいことです。でも、残りの人生を悲観し、時間をムダにするのは不幸な生き方と私は思います。
【まとめ】考えたこと、やったこと
- 家族とは、ずっとそばにいる大切な人のこと。
- 思い出があれば、残された家族を支え続けられると思う。
- だから私は、心がぽかぽかする思い出をたくさん残したい。
- そのために家族と一緒にいる時間を増やし、感謝の気持ちを伝える。
- 残りの人生を悲観し、時間をムダにするのは不幸な生き方と思う。
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