肝臓に転移したスキルス胃がんの治療を続けて3年。抗がん剤の副作用が消えず、後遺症として残っている症状があります。
いままで通りの生活ができなくなっていく自分の体に、どう向き合っていくか私が考えていること、やっていることです。
- 抗がん剤の副作用で残った後遺症
- 残った後遺症の症状や感じたこと
抗がん剤の副作用で残った後遺症
これまで使用した抗がん剤
- TS-1(S-1)
- シスプラチン(ランダ)
- パクリタキセル(タキソール)
- サイラムザ(ラムシルマブ)
- エルプラット(オキサリプラチン)
- イリノテカン(トポテシン)
この中でとくに長く使用した抗がん剤は、パクリタキセル+サイラムザ(23クール)、TS-1(16クール)、エルプラット(8クール)です。
これまで投与した抗がん剤は、ツイッターでほぼすべて公開しています。
副作用で残った後遺症
- 末梢神経障害
- 副作用の原因となった抗がん剤
パクリタキセル、エルプラット
- 副作用の原因となった抗がん剤
- 手足症候群
- 副作用の原因となった抗がん剤
TS-1
- 副作用の原因となった抗がん剤
残った後遺症の症状や感じたこと
末梢神経障害
私の末梢神経障害の主な症状は「しびれ」です。ここ1年ほどつねに感じていて、後遺症として残ると思っています。とくに手足の指先が強くしびれていて、あまり感覚がありません。
日常生活での支障は、ボタンを留めたり、ペンや箸を持ったり、薬を1錠ずつ出したり、キーボードを打ったり、指先を使う作業がとてもしづらいです。
これより重大な症状が、立ったり歩いたりしているとき、しびれでバランスをくずしたことに気づくのが遅いことです。反応できずによろけたり転倒し、余計なケガをする危険が高くなります。
なので、末梢神経障害(しびれ)は足のケアのほうが大切と私は思います。
- 便利グッズの利用
- 危険を予測する習慣
- 体幹を鍛える運動
など
その他、注意点など
パクリタキセルとエルプラットの末梢神経障害は、症状はよく似ているけど、性質のちがう副作用で対処法も違います。主治医・薬剤師さんに症状を相談して、必ず体に合った方法をアドバイスしてもらってください。
- パクリタキセル
- とくに点滴中など手足を冷やして血管を収縮させ、なるべく指先に血液(パクリタキセル)が循環しないようにする。
- エルプラット
- 冷えに過敏に反応しやすく、指先の他に口(顔)や首などもしびれを感じるため、夏場でも冷たい飲み物やエアコンに注意する。
また、症状が現れはじめたタイミングも違いました。パクリタキセルは1年以上経って蓄積されてから、エルプラットはすぐに症状が現れました。これは個人差があるので参考程度にしてください。
手足症候群
私の手足症候群の主な症状は「乾燥」です。1年以上この状態で、後遺症として残ると思っています。手足の指紋が確認できないほど皮膚がツルツルになり、爪も薄くなってカールしたり深爪になりました。
日常生活での支障は、とにかく物を落とすことです。本のページもめくりにくく、スマホが反応しないときもあります。しびれもあって、指先を使う作業がとてもしづらいです。
足の裏もかなり乾燥していて、じゅうたん(ラグ)の上を素足で歩くと思った以上にスベって危険です。基本の対策は保湿だけど、乾燥した状態で靴下をはくと足が中でいろんな方向にスベります。その摩擦で足の裏に炎症が起きとても痛くなります。
末梢神経障害のときと同様に、手足症候群(乾燥)のケアも足のほうが大切と私は思います。日常生活の刺激を少なくすることで、症状の悪化を予防したり緩和することができます。
その他、注意点など
手足症候群は、ひどくならないように初期の段階から予防・緩和をしやすい副作用です。症状には個人差があるけど、重くなると日常生活ができなくなるので個人でも管理が必要です。
どんな症状でも、気になったら主治医・薬剤師さんをはじめ、化学療法(ケモ)室の看護師さんに相談してアドバイスをもらうのがおすすめです。
治療を続けて感じたこと、やっていること
抗がん剤治療には副作用がつきもので、その中のいくつかは後遺症として残ってしまいます。治療をはじめた3年前に説明があり、理解して納得したつもりでした。
でも、実際に症状が消えないと気づいたときはツラかったです。いままで通りの生活ができなくなった自分の体に、イライラしたり落ち込んだりもしました。そして、そんな自分と体のことをキライになりはじめていました。
たぶん一番大きな後遺症は、がんになった自分・後遺症のある体がイヤになり、それを受け入れられなくなることだと私は思います。
考え方は人それぞれだけど、いまのがん治療はチーム医療です。臨床心理士など専門家に相談したりカウンセリングを受けて積極的にサポートしてもらうほうがいいと思います。
カウンセリングに抵抗がある人は、自分で「自己肯定感(自尊心)」を高くする方法もあります。自己肯定感とは「自分を大切にする」考え方で、まだまだだけど私も習慣にしています。
本もたくさん出版されているので、興味のある人はアマゾンをのぞいてみてください。
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【まとめ】考えたこと、やったこと
- 抗がん剤治療の副作用は、後遺症として残るものがある。
- そんな自分と体のことをキライにならない。
- 専門家に相談したりカウンセリングを受けることも必要。
- 「自己肯定感(自尊心)」を高くして自分を大切にする考え方に変える。

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コメント
いつもお世話になっております!
三代目にゃんは夏バテしていないでしょうか?
「そんな自分を嫌いにならない」
すてきな言葉、心に滲みました。
夫が手足、頭皮、背中の乾燥や荒れに悩まされていたとき、ヒルドイド(こちらだとヘパリン類似液という名称だったかもしれません)のスプレータイプがとても役にたちました!
こちらだと、これからの季節にベタつかずこまめに使用できるので、かなり重宝しました。
病院によっては処方がないかもしれないので、主治医もしくは薬剤師に確認していただくのがおすすめてす。
(すでに使用されていたらすみません)
気候が変わりやすく、体調を整えるのも大変な時期ではあると思いますが、奥様とゆったりお過ごしください!
ほしなさま、こんにちは。
こちらこそいつもお世話になっております。
貴重な情報、ありがとうございます。
ヒルドイドのスプレータイプははじめて聞きました。一瞬で広範囲に塗布でき、すごく便利そうです。取り扱いがあるか確認してみます。
自分をキライにならず頑張れるのは、支えてくれる人がいるからです。ほしなさんも、私の大切な一人です。いつもお気遣いくださり、本当にありがとうございます。
今後とも、よろしくお願いいたします。
平八郎