入院当初、はじめての抗がん剤「TS-1+ランダ(シスプラチン)」の副作用(下痢、吐き気など)で一週間ほど絶食したことがありました。抗がん剤を中止し、点滴と成分栄養剤だけで過ごす間に
今までオレ、勘違いしてた…。
そう感じる体験をいくつかし、考え方、生活習慣を改善するポイントがどんどん変わっていきました。
絶食して、点滴と成分栄養剤で過ごす
胃腸の調子を整える(切れ痔に負担をかけない´・ω・`)ため、主治医は一時的に点滴と成分栄養剤だけで絶食することを提案してくれました。
このページは、この記事↓の続きになります。
点滴、アミグランド輸液
いわゆる栄養剤の点滴。このアミグランド輸液を朝夕の2回、それぞれ約2時間かけて点滴していました。
私が感じた副作用は血管痛です。点滴針の刺さっている周辺が、ピリピリと少し痛かったことを覚えています。(個人差あり)
主な成分は、アミノ酸、ブドウ糖、ビタミンB1など。ビタミンB1は光・紫外線に弱いそうで、分解を防ぐため、オレンジ色っぽいUVカットのカバーをして点滴されました。
成分栄養剤、エレンタール
エレンタールは、容器でシェイクして飲む粉末タイプの成分栄養剤です。これを1日1袋、お昼ごはんの代わりに飲んでいました。
- 成分栄養剤とは、消化を必要としない経腸栄養剤。すべて腸から吸収されるのでウンチにもならない。
参考 成分栄養剤 – Wikipedia
粉末タイプのエレンタール。白っぽい粉末で、ジャガイモのような香りがします。ゼリータイプもあるようです。
水に溶かして飲む場合、好みの味にするドリンクミックス(フレーバー)。10種類ほどあります。
粉末の溶解ボトル。用意されたのは他メーカーの容器でしたが、使用するのに問題はありません。
味は、ちょーマズい!です。
(個人的な感想)
主治医の許可を得て、フルーツ系のジュースで割って飲んでいました。それでもマズかったです。エレンタールを飲むときの注意点は、
- 本当に腐りやすいので、ボトルは念のため湯煎し、なるべく冷蔵して早く飲む
- 濃く溶かす(または一気に飲む)と、腸の浸透圧によって腹痛・下痢になる
絶食して気がついた勘違い
絶食中、絶食した後に、体が思っていたのと違う反応をして、自分の勘違い・思い込みに気がつきました。
勘違い【その1】安静にすること
出血性胃潰瘍で入院し、後に胃がんで再入院。一ヶ月前と比べて、体重は10kgほど減少。足腰の筋肉も減り、トイレに行くのもフラフラしはじめました。
看護師さんに相談してみると、歩行器での運動をアドバイスされました。
運動をはじめると、減り続けていた体重が止まりました。その数日後、歩行器なしで歩けるようになり、絶食中にもかかわらず体重が増えはじめています。
これまで私は、体重が減るのは「がん」が原因と決めつけていました。また、安静とはすべてを控え、しっかり休むものだとも思っていました。でも私の場合の安静は、無理はせず、様子を見ながら今まで通り生活するという意味でした。
この勘違いで、私は無意味に体重(筋肉、体力)を失いました。それからは、自分に合ったレベルで積極的に運動しています。また、体重が減るのは「がん」だけが原因ではないということも感じました。
勘違い【その2】食べ過ぎないこと
これまでに感じたことのないお腹のスッキリ感。空腹感もなく、ウンチも出ない。そんな不思議な絶食生活が終了すると、お粥の回復食がはじまります。
少しずつ食べる量を増やしていく中、食べた後に満足・満腹感があり、お腹のスッキリ感をキープできる食事量があることに気がつきました。
わたしの身長は175cmで、入院する前の体重は62kg。大食いでもなく、普通の量と思っていました。しかし、それよりも少ない俗にいう腹八分目が、一番お腹のスッキリ感がある量でした。その量で現在も食べ続け、体重は60kgまで戻って自然に止まっています。
これまで私は、体調が悪い、風邪を引いたときなど、むしろ精のつくものをたくさん食べるものだと思っていました。
これも勘違い・思い込みで、普段から腹八分目にして、量より質を重視。胃腸に負担をかけない食べ方を、私はするべきでした。それに気づけなかったことが、胃がんになった原因の一つと考えています。
この一件で、私は生活習慣を改善するとき、本やネットの情報は参考にするけど、自分に合った方法や範囲を意識して取り組むように考え方を変えました。
【まとめ】考えたこと、やったこと
- 自分の体について、思い込みや勘違いがあることに気がついた。
- 生活習慣を改善するときは、自分に合う方法を意識するようになった。

平八郎の感想 副作用・症状別にメニューを選べる本
あとがき
隣のベッド(カーテン越し)に、すい臓がんの疑いで入院したご主人。その付き添いで来た奥さんは、気が動転して主治医の説明がよく理解できなかったようでした。
しばらくして看護師さんが点滴にやって来て、奥さんとの会話になりました。
「あの、すいません。急に血液の数値が上がることってあるんですか?」
「えーっと(この患者さんは、すい臓がんの疑いやから…)アミラーゼのことですか?」
「いえ、あぶら汗はかいてないです」
入院中の思い出話です。