がんのお見舞い【もう来てほしくない】大切な時間を奪う迷惑な人たち

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肝臓に転移したスキルス胃がんの治療を続けて2年半、私は意識して交友関係を入れ替えてきました。そのきっかけがお見舞いです。

この話は、お見舞いに来たお孫さんが騒ぐような単純な迷惑行為ではありません。あなたも知らないうちに、大切な人の時間を奪い、心から疲れる人になっているかもしれない本音の話です。

  1. がん患者に必要なもの
  2. 中途半端な知識
  3. 中途半端な気持ち
  4. がん患者を励ます方法
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がん患者に必要なもの

本当に必要なもの

  • サポートしてくれる人
  • 治療に集中できる環境

がん患者にとって本当に必要なものは、この2つです。これ以外のものは、大きく分けて「あると嬉しいもの」と「ありがた迷惑なもの」になります。

ありがた迷惑なもの

私の大切な時間を奪い、心から「もう来てほしくない」と思う疲れる人たちは、このどちらかを持ってお見舞いに来ます。

  • 中途半端な「知識」
  • 中途半端な「気持ち」

そう思った理由は、「がん」という病気を誤解して善意を押し売りしてくるためです。

がん患者には基本的に時間がありません。とくに治療をはじめた直後は、その誤解を一人ひとりに説明するのは大変な作業です。その人たちが悪いわけではないけど、申し訳ないと思いつつ断腸の思いで距離を置いています。

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中途半端な知識

がんは治らない病気

がんは生活習慣病で治らない病気、つまり「慢性疾患」です。同じ生活習慣病の糖尿病や高血圧症ですら「治らない病気」とご存じない人がたくさんいます。

一般的にがんが治るとは、がん細胞が検査で確認できない状態のことで、治ったわけではありません。5年経てば完治している、というのも誤解です。

誠に申し上げにくいのですが、生活習慣病(慢性疾患)を知らない人が気軽に「がんばって早く治して……」と言わないでほしいです。

スキルス胃がん+肝転移、ステージ4の末期がん。治療をはじめた2年前、告知のショックから立ち直る間もなくどんどん進んでいく治療に、私と嫁は戸惑い、ついていくの...

がんが治る食べものはない

がんを知らない人は、治るとされる情報を山のように持ってきます。中には、実物(サプリ、食べもの、奇跡の水など)を大量に持ってくる人もいました。

ちょっと考えたらわかることだけど、もし本当なら、がんで苦しんだり悲しんだりする人が世界中からいなくなっていると私は思います。

体にいい食べものなのは理解できます。だからといって、がんが治るというのは話が飛躍しすぎです。

もしかしたら、がんに効く食べ物・サプリがあって治せるのでは……。末期がんと診断されたとき、そう私は思いました。 いろんな失敗をし、よく考えてみると、エビデ...

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中途半端な気持ち

言葉で励ますのはむずかしい

がんと診断され、死を意識した人は「価値観」や「死生観」が一般の人と大きく変わります。つまり、共感しようと思っても、がん患者の気持ちはほとんど理解できないと思います。

ある程度共感できる家族でも、100%理解するのは不可能です。お見舞いに来たけど今まで通り会話ができず、気まずくダラダラとしゃべり続けるのはこのためです。

私がステージ4の胃がんと知っている人は、どんな言葉をかけて励まそうか困っているのがすぐわかります。 でも、がん患者に励ましの言葉は必要ありません。 この...

がん患者と家族のリアルな本音

がんの闘病記・闘病ブログで、がん患者や家族の気持ちを知ることもできます。本人から聞けないリアルな本音が毎日更新されていて、参考になると思います。

【他人に話せない】がん患者の気持ち
いま一番読まれている癌ブログ・闘病記

がん患者を励ます方法

がん患者をサポートするとは

がん患者をサポートするとは、治療以外で困っていることを支える第二のサポーターになることです。

  1. 治療に関すること(医療関係者)
  2. 治療以外のこと(家族、親友など)

がんは治らない病気で、一生つき合う慢性疾患です。つまり、主治医(医療関係者)が第一のサポーターになります。

1.がん患者の話を聞く

がん患者の話を聞くと、相手には2つのメリットがあります。

  • 落ち着き、気持ちや困っていることが整理できる
  • 信頼関係が強くなり、もっといろんな話ができる

根気強く話を聞くのは、簡単そうでなかなかむずかしい作業です。本気でサポートしたいと思ったら、辛抱強く相手の話を聞くことをおすすめします。

2.困っていることを手伝う

話を聞いていると、なにに困っているかお互いわかってくると思います。それをできる範囲で手伝ってもらえると、私はとても嬉しいです。

  • 時間の許す限り話を聞く
  • お買いものを代わりにする
  • 雨の日は外来の送迎をする
  • 一緒に散歩や食事をする
  • ペットの世話や里親になる
    など

がん患者ができなくなった簡単なことから代わりにするイメージでOKです。

3.治療に集中できる環境になる

困っていることが解消されていくと、がん患者は治療に集中できる環境になっていきます。つまり、治療を続けていくのに一番大切な「がんばろう」という気持ちが強くなっていきます。

がんばろうという気持ちは、他人から言われて思うものではありません。心の中から湧き出てくるものです。がん患者に、励ます言葉は必要ありません。

  1. 困っていることを聞く
  2. 手伝えることをする
  3. 気持ちが強くなっていく

これが、がん患者を応援するベストな方法と私は思います。

【まとめ】考えたこと、やったこと

  1. お見舞いしてくれる人の中に、私の時間を奪う人がいた。
  2. その人たちは、中途半端な「知識」と「気持ち」を持っていた。
  3. その人たちとは、断腸の思いで距離を置いている。
  4. がん患者をサポートするとは、治療以外で困っていることを支えること。
  5. がん患者を支える方法は、話を聞く→困っていることを手伝う。
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