がんの先進医療と自由診療【違い・見分ける方法】を調べたまとめ

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勝俣先生のこのツイートをきっかけに、がん患者の立場で「先進医療と(インチキ)自由診療の違い」を見分けることはできるのか?そう思い、私なりに調べたことのまとめです。

  1. 先進医療・自由診療・インチキ診療の違い
  2. インチキ診療をしている病院
  3. 先進医療とインチキ診療を見分ける方法
内容に間違いや誤解を招くような表現があれば、有識者の方にお力添えいただければ幸いです。
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先進医療・自由診療・インチキ診療の違い

先進医療とは

先進医療とは、厚生労働省が、3割負担の保険医療の適用を検討している医療技術のこと。患者が希望し、医師がその必要性があると判断した場合に行われます。

  • 3割負担の保険医療との併用が、認められている
  • ただし、先進医療に関する費用のみ全額自己負担

自由診療とは

自由診療とは、患者と病院・クリニックが合意して行われる診療のこと。厚生労働省が承認していない薬など少しでも使用すると、すべての治療が自由診療扱いになります。健康保険は適用されませんが、違法ではなく基本的にちゃんとした診療です。

  • 3割負担の保険医療との併用が、禁止されている
  • 法律上、費用はすべて全額自己負担になる

インチキ自由診療・インチキ治療とは

インチキ治療とは、がん患者に効果があるように思わせ「希望をしたから」治療をした、という悪質な自由診療のこと。治療費は自由に決める(言い値でぼったくる)ことができ、高額でも罪に問われにくい医師免許を悪用した診療です。

「がん免疫療法って?」という方は、まず、ちょっと下の方の過去のツイートからご覧ください。「免疫療法を全否定」ではないことがおわかりいただけるはず。あたしはいわゆるがん家系だし、身内にがん患者が多い..
保険の効かない治療法は疑ってかかった方がよい。

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インチキ診療をしている病院

インチキ診療をしている病院がある

勝俣先生とは

勝俣範之(かつまたのりゆき)先生。日本医科大学、武蔵小杉病院、腫瘍内科の医長であり教授。yomiDr.(ヨミドクター)でコラムも執筆されていて、がんのインチキ診療・治療を何年も前から注意喚起する日本を代表する腫瘍内科医。

読売新聞による医療・健康・介護のニュース情報サイトyomiDr.(ヨミドクター)の医療・健康・介護のコラム"がん診療の誤解を解く 腫瘍内科医Dr.勝俣の視点"記事一覧ページです。抗がん剤治療の第一人者、腫瘍内科医の勝俣範之さんが、何かと誤解しがちながん治療情報をやさしく解説します。最新記事『“画期的ながん治療”の罠(2...

インチキ診療をしていた一般病院

効果が不確かな免疫細胞療法を患者に提供して「がん診療連携拠点病院」の申請を却下されていたのは、埼玉県上尾市にある上尾中央総合病院でした。

国公私立の大学病院一覧

文部科学省の大学病院一覧は、最終更新が平成21年のようです。(平成20年に名称を変更した明治国際医療大学が、明治鍼灸大学のままになっています)

先進医療を行っている大学病院

先進医療を実施している医療機関の一覧について紹介しています。

先進医療は、主に大学病院で行われる治療です。大学病院の一覧と比較し、ほとんどの大学病院で先進医療も行っていることがわかりました。

  • 先進医療をしていない大学病院
    • 富山医科薬科大学附属病院
    • 茨城県立医療大学付属病院
    • 奥羽大学歯学部附属病院
    • 明海大学歯学部付属明海大学病院
    • 神奈川歯科大学附属病院
    • 神奈川歯科大学附属横浜研修センター・横浜クリニック
    • 明治国際医療大学
    • 福岡歯科大学医科歯科総合病院

インチキ診療をしている大学病院

インチキ診療をしている大学病院は、私の知識では判断できませんでした。ただ、勝俣先生がなんの根拠もなく注意喚起されるとは思えません。インチキ診療をしている大学病院は、あると思われます。

一旦保留にしていた内容を公開します。このウェブ魚拓は、平成29年(2017年)8月の時点でも公開されているページです。

「樹状細胞及び腫瘍抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法」「自己腫瘍・組織及び樹状細胞を用いた活性化自己リンパ球移入療法」は、平成28年(2016年)4月1日に先進医療Aから取り消されています

現在は、暫定的に一部の大学病院で行われている治療法(継続中の患者が多いため?新規受付はしていません)で、先進医療Bに移行する可能性も低いと思われます。

つまり、一時的に先進医療だった治療法を、大学病院というブランドを利用して自由診療していることに勝俣先生はインチキと注意喚起しているのではないか?と思います。

この他にも「免疫療法につては主治医にご相談ください」など、あいまいな表現をホームページに記載している大学病院もあります。

この記事↓も参考になります。ぜひご覧ください。

先週「医師たちが告発 『がん免疫療法』はインチキだ」という特集を組んで、医療関係者から称賛を浴びた週刊現代。今

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先進医療とインチキ診療を見分ける方法

先進医療とインチキ診療の違い

3割負担の保険医療を併用できれば先進医療

「腹水細胞診により遊離がん細胞が認められる進行性胃がんに対して行われるパクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS-1の内服併用療法」という治療方法があります。

とか言われても、先進医療なのかインチキ診療なのかぜんぜんわかりません。なので、治療方法を変更するときは「3割負担の保険医療」が併用できるか確認するのがポイント。併用できれば先進医療です。

  • 先進医療
    • 3割負担の保険医療との併用が、認められている
    • ただし、先進医療に関する費用のみ全額自己負担
  • インチキ診療
    • 3割負担の保険医療との併用が、禁止されている
    • 法律上、費用はすべて全額自己負担になる

勝俣先生によるインチキ診療の見分け方

  1. ○○免疫クリニック、最新○○免疫療法
  2. “○○%の患者に効果がある”という文句
  3. 体験談が掲載されている
  4. 保険が利かない高額医療
  5. “奇跡の○○治療”“末期がんからの生還”というキャッチコピー

2つ以上当てはまると、インチキは確実
引用「抗がん剤は効かない」の罪(P163)

これは主にクリニックの場合で、がん診療連携拠点病院・大学病院では「先進医療のような治療」と説明してインチキ診療を行ったりするかもしれません。

大切なこと

がんの治療に効果があると認められれば、すぐに先進医療 → 3割負担の標準治療に承認されます。インチキ自由診療は治療費が高いとかいう以前に、その効果を期待できません

【まとめ】考えたこと、やったこと

  1. 先進医療・自由診療・インチキ診療の違いを確認した。
  2. 治療方法を変更するときは、全額負担の範囲を確認する。
  3. 3割負担の保険医療を併用できれば先進医療。
  4. がん診療連携拠点病院・大学病院でも、インチキ診療で高額な請求をする可能性がある。

毎日更新【病院で聞けない】がんの話

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
どんな情報・知恵・工夫・アイデアでも、ご存知の方はこの記事にコメントまたは連絡・お問い合わせから教えていただけると助かります。よろしくお願いいたします。

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