2016年3月のある日、突然気分が悪くなって吐血し、ぶっ倒れました。病院で緊急輸血され、そのまま入院となりました。
初期診断は、出血性胃潰瘍。後に、スキルス胃がんと判明しました。この2つの病気は根本的に違いますが、症状はよく似ています。そのときに感じた症状や、セルフチェックする方法のまとめです。
出血性胃潰瘍の症状(1)血便
出血性胃潰瘍は、止血しないと命に係わります。こんな症状に気がついたら、すぐに病院(消化器内科)へ行ってください。
出血性胃潰瘍は、こんな血便(タール便)が出ます
血便(けつべん)とは、血の混じったウンチが出ることです。出血性胃潰瘍は、だいたい「タール便」という黒い血便が出ます。
Wikipedia メレナ
わたしはタール便を知らなかったため、胃(十二指腸)から出血していることに気づけませんでした。
1. 黒い
2. キレがわるい
3. いつもより回数、量が増える
こんな症状に注意してください
とくに危険なのが「いつもより回数、量が増える」で、これは緊急事態のサインです。このときのタール便は、血が黒くなって固まっただけの「ウンチもどき」の可能性が大です。
便の回数、量が増えるということは、すでに(数時間かけて)相当な出血をしています。そんな出血が自然に止まるはずもありません。いつぶっ倒れてもおかしくない状態になっています。
また、タール便と体調の悪さは一致しません。回数、量が増えず、体調に影響しにくい出血でもタール便になります。タール便が出たときの体調で、病院に行くかどうか判断するのは危険です。
タール便をセルフチェックする方法
タール便のセルフチェックは、疑似体験するのが一番の方法です。
タール便は、イタリアンのイカ墨料理を食べた翌日のウンチに似ています。まだ経験のない人は、ぜひイカ墨パスタなど食べて体験してみてください。
お尻を拭いたトイレットペーパーを見れば、いつもと違う黒い汚れが確認できます。これで、いち早く体の異変に気づけると思います。
血便(タール便)の症状まとめ
2. タール便が出るほどの出血は、自然に止血する可能性が低い
3. タール便に気がついたら、体調に関係なく病院(消化器内科)へ行く
4. セルフチェックは、疑似体験をして体の異変を素早く察知する
出血性胃潰瘍の症状(2)吐血
もし吐血に気づかなかったら、命が危ないです!そもそも吐血とは?ぜひ再確認してください。
出血性胃潰瘍は、こんな吐血(嘔吐)をします
吐血(とけつ)とは、胃や十二指腸からの出血を嘔吐(おうと、ゲロ)することです。出血性胃潰瘍に限らず、吐血はだいたい「ブラックコーヒー色」をしています。
Wikipedia 吐血
わたしは「出血=赤い」と思い込んでいたので、自分が吐血したと思いませんでした。
1. ブラックコーヒー色をしている
2. 吐く量は多くない(少量を数回)
3. ネバネバせずサラッとしている
吐血をしたときに感じた症状
わたしの場合、吐血する前後にこんな症状も感じました。これらの症状には個人差があり、出血した量でも違うと思われます。
- めまい、フラフラする
- 力が入らない、体が重い
- 息が苦しい、空気がうすく感じる
- 冷や汗、脂汗
- 寒気、悪寒
- 耳鳴り、耳が聞こえにくい
- 手の震え、指先の冷え
さらに
- 吐いたものが、ブラックコーヒー色
となれば胃(十二指腸)から相当量の出血をしていて、吐血したと判断していいと思います。
こうなったら様子を見ている場合じゃないです。体調は、急激に悪化することがあります。すぐに救急車を呼ぶ、または病院へ行ってください!
胃からの出血をセルフチェックする方法
あっかんべーをした「下まぶたの色」で、出血しているかどうかセルフチェックできます。
通常はマグロの「中トロ」のような色をしています。吐血するほどの出血になると「真っ白」になり、わたしの場合は大トロなんてレベルじゃなかったです。
下まぶたの色には個人差があると思われます。普段からチェックしていれば、体の異変に気づけると思います。
吐血の症状まとめ
2. 出血量が増えると、いろんな症状を併発する
3. 体調は、急激に悪化することがある
4. すぐに救急車を呼ぶ、または病院へ行く
5. 普段から、下まぶたの色をチェックしておく
あとがき
精密検査の結果は、ステージ4の胃がんでした。でも、あの日ぶっ倒れていなければ、胃がんの発見はもっと遅れていたと思います。
倒れてよかったです。