肝臓に転移したスキルス胃がんの治療をはじめて3年半、手足症候群が(現れやすい抗がん剤をヤメた今でも)後遺症として残っています。
手足症候群を悪化させないために私が気をつけていること、実際に使っている軟膏・保湿剤の一覧です。
- 手足症候群の症状・予防など
- 私が使っている軟膏・保湿剤など
手足症候群の症状・予防など
手足症候群になりやすい抗がん剤
- TS-1(ティーエスワン)
- ゼローダ(カペシタビン)
- エルプラット(オキサリプラチン)
- 5-FU(フルオロウラシル)
など
詳しくは、主治医・薬剤師さん等にご確認ください。
手足症候群の代表的な症状
手足症候群は、指先・手のひら・足の裏の皮膚が知覚過敏になる副作用です。個人差が大きく、現れる症状は人によってちがう(複合する)とのこと。
- 知覚過敏(しびれ、痛み)
- 赤み(皮膚が薄くなり指紋がなくなる)
- 色素沈着(手足の指先が黒くなる)
- 角化(皮膚が厚くなりガサガサしてくる)
- 角化した皮膚が割れる、めくれる
- マメ・靴ずれのような水ぶくれができる
など
割れたり水ぶくれができると痛みが強くなり、ものを持ったり歩くのがむずかしくなって日常生活にも支障がでてきます。
手足症候群の予防・対策
私の初期症状は、赤み(手の乾燥、指紋が消える)でした。
抜本的な治療法が(いまのところ)なく、対処療法になる副作用です。抗がん剤が蓄積され、数か月後に現れることもあります。一度現れると進んでいくことが多く、予防しながら初期症状に気づいて早めの対策(主治医・薬剤師さんに相談)が大切です。
【予防】
手足の刺激を工夫してソフトにする。
- 革靴をスニーカーに変える
- 熱いお風呂に入らない
- 走らない
- 水仕事はゴム手袋をする
- 重いものは持たない、小分けにする
- 家族等にも体をチェックしてもらう
など
【対策】
保湿する。進行を遅くし、予防にもなる。
- 小まめに塗る(症状がなくても)
- 手足に合った軟膏・保湿剤を使う
- 寝るときはコットン手袋・靴下を
など
こちら↓でも情報を公開しています。
私が使っている軟膏・保湿剤など
- ヒルドイド(ローション)
- ヘパリン類似物質ローション
- ヒルドイド(フォーム)
- ヒルドイド(軟膏)
- ケラチナミンコーワ(クリーム)
- ワセリンHG(大洋製薬)
- アンテベート+ケラチナミン
1)ヒルドイド(ローション)
くすりのしおり ヒルドイド(ローション)
- 伸びのよさ:★★★★☆
- べたつき度:★★☆☆☆
- しっとり度:★★★☆☆
乳液タイプの保湿剤です。
私がメインで使っている保湿剤で、外出するときも必ず持ち歩いています。少量でもよく伸び、べたつきも少なくてお気に入りです。
2)ヘパリン類似物質ローション
くすりのしおり ヘパリン類似物質ローション
- 伸びのよさ:★★★★★
- べたつき度:★☆☆☆☆
- しっとり度:★★☆☆☆
ローションとありますが、実際には少しトロっとした化粧水タイプの保湿剤です。少量でもスゴく伸び、さらっとしているのが特徴です。ヒルドイド(ローション)と使い分けてみて、夏や汗をよくかく人に向いていると思います。
このジェネリックには「スプレー」タイプもあります。これを教えてくださった人は頭皮にも症状が現れてしまい、とても役に立ったとのことです。
くすりのしおり ヘパリン類似物質外用スプレー
- 【院内処方】
- お会計が済んだら、院内にある薬局で薬をもらって帰れる病院です。
- 【院外処方】
- お会計が済んだら、近くの調剤薬局で処方箋を渡して(別料金で)薬をもらう病院です。
3)ヒルドイド(フォーム)
くすりのしおり ヒルドイド(フォーム)
- 伸びのよさ:★★★★★
- べたつき度:★★☆☆☆
- しっとり度:★★★☆☆
ムースタイプの保湿剤で、少量でもスゴく伸びます。
抗がん剤治療をはじめてから、空気が乾燥する季節になると「すね」と「ふくらはぎ」がかゆくなるようになりました。発疹ではないようで、お試しで処方してもらいました。
フォームは、痛みがある人でもやさしく全体に塗りやすいと思います。痛みが強くなってきたらローションからフォームに変更しようと思っています。
4)ヒルドイド(軟膏)
くすりのしおり ヒルドイド(軟膏)
- 伸びのよさ:★★☆☆☆
- べたつき度:★★★☆☆
- しっとり度:★★★★☆
一般的なハンドクリームタイプの軟膏です。ローションよりもべたつくけど、いつまでもベタベタする感じはありません。空気が乾燥する季節にローションと併用して使っています。
5)ケラチナミンコーワ(クリーム)
くすりのしおり ケラチナミンコーワ(クリーム)
- 伸びのよさ:★★☆☆☆
- べたつき度:★★☆☆☆
- しっとり度:★★★★☆
一般的なハンドクリームタイプの軟膏です。足をしっかり保湿するとき(お風呂上り、就寝前)に使っています。
私は手と足の症状が違い、足は角化(皮膚が厚くなりガサガサしてくる)して割れたりします。ヒルドイド(軟膏)と両方使ってみて、ケラチナミンコーワ(クリーム)のほうが私の足に合っているような気がします。
ケラチナミンにはひとつ問題があって、傷口にしみます。傷口がある場合は、症状が改善するまでヒルドイド(しみにくい)をご使用ください。
6)ワセリンHG(大洋製薬)
Amazon ワセリンHG(大洋製薬)
- 伸びのよさ:★★★★☆
- べたつき度:★★☆☆☆
- しっとり度:★★★★☆
ほんの少量を皮膚全体に塗ってコーティングし、乾燥を防止するのがワセリンです。保湿剤ではないので、ヒルドイド or ケラチナミン→ワセリンの順で塗り、締めつけないコットン手袋・靴下をして就寝すれば完璧です。
ワセリンHGは、私の運動面をサポートしてくださっている先生おすすめのワセリンです。病院で処方してもらえる白色ワセリンでも十分だけど、それよりも純度が高くて伸びがよく、べたつきも少ないのが特徴です。
くすりのしおり 白色ワセリン(ケンエー)
7)アンテベート+ケラチナミン
くすりのしおり アンテベート軟膏
- 伸びのよさ:★★☆☆☆
- べたつき度:★★★☆☆
- しっとり度:★★★★☆
このクリームは、足の裏が痛くなったときに塗っています。
アンテベートは炎症を抑えるステロイド薬で、ステロイドには強さが5段階あり、アンテベートは上から2番目の強さです。
ステロイドは多用すると効かなくなるので用法・用量は厳守です。あまり強くないステロイドを1日何回も塗るより、少し強めのステロイドを1回塗って炎症を抑えるほうが長く使えるとのこと。
お試しでアンテベート+ケラチナミンを半々で混ぜたものを処方してもらったけど、いまの私にはこれで十分に効果がありました。
足の裏が乾燥しているのに歩いていると、靴(靴下)の中で足裏がスベりはじめます。この摩擦が刺激になって炎症を起こします。いまは無理をせず(ときには人目を気にせず)すぐ足の裏にローションを塗るか、痛みがあればクリームを塗るようにしています。
【まとめ】考えたこと、やったこと
- 主治医に気をつける副作用や症状を確認しておく。
- 日常生活を工夫し、初期症状に早く気づく。
- 症状を相談し、自分に合った薬や使い方を見つけていく。
- 悪化させない工夫をすると、治療を続けやすくなる。