末期のスキルス胃がんと告知され、半年の余命宣告からちょうど1年が経ちました。闘病生活を振り返り、がんを治すために私ができたことは7つです。
余命半年と宣告されたヤツが、どう考え、何ができたのか?ちょっと知りたい、という人の参考になればうれしいです。
- 胃がんを治すためにできた7つのこと
- 治療方法に関してできた3つのこと
- 生活習慣に関してできた4つのこと
胃がんを治すためにできた7つのこと
闘病生活1年目を振り返ってみて、胃がんを治すために私ができたのは、大きく分けて2つ(計7つ)になります。
- 病院と治療方法を決める
- 病院(主治医)を決める
- 治療方法を決める
- 副作用を緩和する
- 生活習慣を改善する
- 運動の習慣
- 食生活の改善
- 生活リズムの改善
- メンタルの強化
もちろん、これ以外にも入院の準備をしたり、保険の手続きをしたり、あちこちに連絡したり、家族のルールを決めたり、たくさんありました。ですが、私が直接「胃がんを治すため」にできたのは、この7つでした。
病院と治療方法を決める
- 病院(主治医)を決める
- 治療方法を決める
- 副作用を緩和する
病院(主治医)を決める
私は、がん診療の拠点病院で治療することにし、そこに勤務している先生を主治医にすると決めました。偶然もありましたが、この選択はよかったと思います。
がん診療の拠点病院とは、国(または都道府県)が指定する質の高いがん医療ができる病院のこと。設備や専門スタッフなど、いろいろな条件をクリアしていないと指定されない病院です。
診断や治療方法は「セカンドオピニオン」で他の医師に意見を聞くこともできますが、上記の病院には、無料でいろんな相談ができる「がん相談支援センター」があるのも特徴です。
なにか困ったことがあれば、だれでも無料で利用できます。かかりつけの病院かどうかも関係なく、家族のこと、介護のこと、経済的な悩みなど、広い範囲で相談することができます。
治療方法を決める
がんの病状を主治医からよく聞き、私は標準治療(抗がん剤)で治療することに決めました。標準治療とは、科学的に根拠(エビデンス)があり、国が効果があると認めて推奨し、保険が適用される治療方法のことです。
私が標準治療を選んだ理由は、実績があり、保険が適用されるためです。そのため、先進医療と免疫療法は第一選択から外しました。
先進医療とは、大学病院などで研究・開発が進められている医療技術のことです。国(厚生労働省)の承認は受けていますが、ほとんどが保険の対象外。今後に期待される治療方法で、実績を重視した私は選びませんでした。
免疫療法とは、免疫本来の力を回復させてがんを治療する方法のことです。研究の失敗が続く中、世界で初めて肺がんに承認されたのがニボルマブ(オプジーボ)。それ以外は未来の話しで、私が期待できる治療方法はありませんでした。
代替療法に関しては、コチラの記事が参考になると思います。
副作用を緩和する
副作用を緩和するには、適切な薬の処方やアドバイスが不可欠でした。それらをしっかり守っていくと、体調を管理できるようになっていきました。
抗がん剤は、これまで体験したことのない症状が体に現れます。それを相談して私に合った薬の処方やアドバイスがなかったら、乗り越えられなかったピンチもありました。そのため、主治医や看護師さんとの信頼関係はとても重要です。
信頼関係をつくるのに、特別なことはしていません。薬の処方やアドバイスをしてもらったら、どうなったのかを感謝とともに報告する。すると、また新しいアドバイスがもらえます。私は、こうしたコミュニケーションを大切にしています。
生活習慣を改善する
- 運動の習慣
- 食生活の改善
- 生活リズムの改善
- メンタルの強化
生活習慣を改善する私のルール
私は次のルールを基本にして、生活習慣を改善しています。
- 何かをヤメてからはじめること
- シンプルな内容にすること
- 続けることより、続けやすい方法を考えること
運動の習慣
がんに限らず、どんな闘病にも体力は必要です。日頃から運動不足を感じていた私は、闘病生活がはじまってすぐに体力不足を痛感しました。と同時に、心肺機能も重要視するようになりました。
- 血液は、酸素を全身に運び、二酸化炭素を回収している
- 血液は、栄養を全身に運び、老廃物を回収している
- 血液は、白血球(リンパ球)を全身に運び、体を守っている
私は、1ヵ月ほどベッドの上で過ごしただけで、あっという間に筋肉がなくなって歩けない体になっています。
たしかに抗がん剤の副作用もツラかったですが、治療方法がどーのこーのと言う前に、そもそもがんと闘える体力がないと負けてしまう。そう感じた私は、少し息の上がる運動をまっ先に習慣にしました。
食生活の改善
私は偏食せずになんでも食べていますが、その中でとくに意識して食べているのが「フィトケミカル」(抗酸化作用)を含んでいる野菜です。
その野菜を毎日おいしく食べるため、わが家ではいろんなスープにしています。
また、いま投与している「パクリタキセル」(タキソール)は、フィトケミカルの研究中に発見、応用された抗がん剤。フィトケミカルを含んでいる野菜は、私にとって天然の抗がん剤ともいえる食べものです。
植物アルカロイドと呼ばれる抗がん剤は、植物が原料になっています。つまり、自然界にあるものからできるのです。このことは案外知られていない。パクリタキセル、ビンクリスチン、イリノテカンもエトポシドもアルカロイド系です。
— 勝俣範之 (@Katsumata_Nori) 2016年12月22日
生活リズムの改善
運動で体力と筋力を強化し、体に必要な栄養を食べたら、体を回復させる睡眠も必要です。なので私は、睡眠こそ生活リズムで一番大切な時間と考えました。
十分な睡眠は、体が回復した状態で一日をスタートさせることができます。十分な睡眠をとるようになって、むしろ一日は寝た瞬間からはじまっているのでは?そう考えが変わるくらい体の調子は良くなりました。
もう一つ生活リズムで改善したのが、食事をする時間と量です。とくに私は胃がん+転移性肝がんなので、内臓に負担をかけない食事に変更しました。
晩ごはんは少なめにし、できる限り早い時間に食べる。たったこれだけで、翌日の体調がいいことがわかりました。結局、病院の夕食時間(18:00)が理想だったことに気づきました。
メンタルの強化
私は読書でメンタルの強化・整理をしています。
メンタルの強化をしていくと、悩んだり考え込むことが少なくなり、実はストレス解消にもなることがわかりました。
少しずつですが、自分が大切と思うことに集中したり、集中するために優先順位を工夫できるようにもなりました。その結果、ポジティブとかネガティブとか他人がどう思おうと気にしなくなりました。
治療に集中するために「どうするか?」で考えられるようにもなってきました。「どうなるか?」に答えはなく、誰にもわかりません。これを考え出すと集中できなくなるので注意しています。
また、迷いはメンタルを弱くします。できる限り最善と思われる行動をするため、自分の行動を客観的に判断しやすいルールも決めました。
【まとめ】考えたこと、やったこと
- がん診療の拠点病院で治療し、そこに勤務する先生を主治医に決めた。
- がんの病状をよく聞き、標準治療(抗がん剤)で治療すると決めた。
- 副作用を緩和するため、主治医や看護師さんとの信頼関係を大切にした。
- がんと闘える体力をつけるため、少し息の上がる運動をはじめた。
- フィトケミカルを含んでいる野菜を、スープで食べはじめた。
- 睡眠を一番大切な時間と考え、内臓に負担をかけない食事に変更した。
- 読書でメンタルの強化・整理をしつつ、迷わないルールも決めた。

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